Material & Daily Care
素材と日頃のケアについて
素材を知ることは、
家具との付き合い方を知ること。
私たちの考える家具とは、人生をともに過ごし、使うほどに愛着が深まるもの。
葉山家具の商品は長く使える品質であることはもちろん、
天然木の無垢材やオイルレザーなど経年による変化(エイジング)を
楽しむことができる素材を多く使用しています。
だからこそ素材や仕上げの特徴やケア方法について知り、
定期的にメンテナンスを行っていただくことで良い状態を長く保つことができます。
時を重ねるごとに深みを増し、味わいが生まれる家具は、
やがてあなただけの唯一無二の存在へと育っていくはずです。

木材
味わいのある色、伸びやかで繊細な木目。
艶のある美しい木肌。
天然の木材にはそれぞれ豊かな個性があります。
葉山家具は、広葉樹を中心とした無垢材にこだわってきました。
だから同じ商品でも色の出方が異なり、節の有無もさまざま。
ひとつとして同じものがないのです。
私たちは、お客さまにもそんな木の魅力について知っていただきたいと考えています。
木の特性を知ることは、家具との付き合い方を知ること。
樹種ごとの特徴や個性を楽しむ。
そして年を重ねるごとに深みを増す変化を楽しむ。
それこそが無垢材家具と暮らすよろこびです。

木材の種類
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- Ash Woodタモ
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野球バットにも用いられることからわかるように、しなやかで粘り気のある木です。
黄色がかった明るい木肌とダイナミックな木目が特徴です。
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- Birchバーチ(マカバ)
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艶感があり、赤みのある木肌と細かく詰まった美しい木目がとても特徴的です。
そのため「広葉樹の女王」と呼ばれることもあります。
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- Black Walnutブラックウォルナット
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チーク、マホガニーと並び「世界三大銘木」のひとつ。
重厚感のある深い色味と、長い時間をかけて育った証拠である細かい木目が特徴です。
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- Camphor Woodクス
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さまざまな色が複雑に折り重なった木目と、「樟脳」と呼ばれる香りが特徴的な木です。
日本では御神木として多くの神社で祀られています。
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- Black Cherryブラックチェリー
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赤みがあり、すべすべとした触感の木肌と木目が特徴的です。
ほかの樹種と比べると、速いペースで経年変化する木材として知られます。
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- Chestnutチェスナット(クリ)
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古くから建材としても用いられてきた木材で、非常に高い耐久性を誇ります。
はっきりとした木目と、やや粗めな触感の木肌が特徴です。
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- Horse-Chestnutトチ
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シルクのような触感と豊富な色合いを楽しめる木。中でも白い部分の多い「白トチ」や、「縮み杢」と呼ばれるさざ波のような木目は価値が高いものとされています。
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- Monkey Podモンキーポッド
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フィジーなどの温かい地域で育つ木で、濃淡のグラデーションが美しい木目と白っぽい耳によるツートンの色味が特徴的。別名「レインツリー」とも呼ばれます。
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- Oakナラ・オーク
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家具材や床材として多く使用され、明るくナチュラルな色味が特徴的な木です。
「虎斑(とらふ)」という虎の毛のような木目がまれに現れることがあります。
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- Japanese Walnutクルミ
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広葉樹の中では柔らかさがあり、赤みがかった温かな色味が特徴的な木です。
経年によって鼈甲(べっこう)のような深みのある色へと変化します。
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- Zelkovaケヤキ
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歴史的な建造物にも使われている、きわめて高い耐久性を誇る木材。
はっきりとした年輪が美しく、「玉杢」や「魚鱗杢」といった希少な杢目が現れることもあります。
仕上げ・塗装
無垢材を使用したテーブルやチェアには、
基本的に表面を保護するための塗装が施されています。
葉山家具で扱っている商品は、主に「オイル仕上げ」「ウレタン塗装」「セラウッド塗装」のいずれかとなっています。
それぞれ特性や取り扱いの注意点が異なるため、あらかじめ理解したうえでライフスタイルに合ったものをお選びください。
正しいケア方法で日々のお手入れをすることにより、
家具を美しい状態で長く使っていただくことができます。

仕上げ・塗装の種類
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- オイル仕上げ
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木にオイルを染み込ませることで表面を保護した仕上げです。
塗膜で覆わないため、天然木の持つ手触りや風合いなどをダイレクトに楽しんでいただけます。
水には弱く定期的なメンテナンスが必要ですが、傷や汚れがついてもサンドペーパーで削ってオイルを塗りなおすことで修復できるという利点もあります。
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- ウレタン塗装・セラウッド塗装
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天然木の表面をウレタン樹脂の塗膜で覆って保護した仕上げです。
水や汚れに強く耐久性に優れているため、長期間にわたって美しい状態を保つことができます。
さらにウレタン樹脂とセラミックを組み合わせたセラウッド塗装は熱や紫外線にも強くなっています。
通常のメンテナンスはしやすいですが、オイル塗装とは異なりご自身での塗膜の修復は困難です。
日頃のお手入れ方法
- オイル仕上げ
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オイル仕上げの家具は、木の風合いを活かしつつ長く使うために定期的なケアが必要です。
- 柔らかい布で軽く拭き取ることで、表面のホコリを除去できます。
- 飲み物や食べ物の汚れは、クロス(タオルなど)を水に浸して固く絞ってから拭いてください。
そのあと乾いた布で拭き、水分を残さないようにします。 - 定期的にケアキット(オイル)によるお手入れを行うことで、表面を良い状態に保つことができます。
- ポンポンと軽い力で叩くようにして汚れに馴染ませてください。
- 水拭き後は、水分が残らないように乾いた布で水気をよく拭き取ってください。
木材に水分が染み込むことで、歪みやシミ・変色等の原因となる恐れがあります。 - アルコール研磨剤を含む掃除用品は、木材を傷めるので使用しないでください。
- ウレタン塗装・セラウッド塗装
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ウレタンやセラウッド塗装の家具は水や汚れに強く、扱いやすいのが魅力です。
日常的なお手入れも、乾拭きや水拭きを中心とした簡単なものです。- 柔らかい布で軽く拭き取ることで、表面のホコリを除去できます。
- 飲み物や食べ物の汚れは、クロス(タオルなど)を水に浸して固く絞ってから拭いてください。
そのあと乾いた布で拭き、水分を残さないようにします。 - 油などがついて取れにくい場合は、水拭きする前に食器用洗剤(研磨剤を含まないもの)を薄めた液をスポンジに染み込ませ、ポンポンと軽く叩くようにして汚れに馴染ませてください。
- 水拭き後は、水分が残らないように乾いた布で水気をよく拭き取ってください。
木材に水分が染み込むことで、歪みやシミ・変色等の原因となる恐れがあります。 - アルコール研磨剤を含む掃除用品は、塗装を傷めるので使用しないでください。
- 紫外線や高温で塗膜が劣化する恐れがあるため、直射日光が当たる場所への設置や、熱いものを直接置くことは避けてください。
全体的に傷などが気になる場合には有償にて再塗装も承っております。
また、引き出しや扉など可動部のご調整も承っておりますのでお気軽にご相談ください。
ファブリック・レザー
椅子やソファの張地は、人が直接触れる部分。
見た目の美しさだけでなく、肌触りの心地よさや機能面なども
選択の重要なポイントになってきます。
ファブリックやレザーの種類は多岐にわたります。
葉山家具では、お客さまにそれぞれの特長を理解していただいた
うえでライフスタイルに合うものをおすすめしています。
素材に合わせた使いかたと日々のお手入れによって、
家具との生活を長く楽しんでください。

ファブリック・レザーの種類
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- ヌメ革
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植物性タンニンでなめしたものにオイルを多量に含ませた革で、もっちりとした手触りが特徴です。
葉山家具が使用しているヌメ革は「ソフトヌメ」といわれるもので、通常のヌメ革よりもソフトでしなやかな仕上がりになっています。
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- オイルレザー
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なめす際にオイルを使用することで、柔軟性や耐久性を増したレザーです。
オイルを含ませた仕上げのため手触りはしっとりとしています。
他の革に比べて傷が付きやすいですが、使い込むことで馴染んでいきます。
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- 顔料仕上げ革
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革素材の表面を色付きの塗膜で覆ったレザーです。
多くのものがシボの型押しが施されています。
色むらがなく綺麗な発色で、経年変化はあまり感じられません。
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- ファブリック
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色や柄、質感が異なる多様な生地の中からお好みのものをお選びいただけます。
カバーリング仕様の商品でウォッシャブル対応張地であれば、ご自宅で洗濯することが可能です。
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- アクアクリーン
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特殊な加工により、わずかな水だけで汚れを落とせる高機能ファブリックです。
飲み物や食べこぼし、インクなどの汚れも簡単に拭き取ることができるため、お手入れがしやすくなります。
小さなお子様やペットのいるご家庭でも安心してお使いいただけます。
日頃のお手入れ方法
- ヌメ革・ソフトヌメ
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- 日頃のお手入れでは、柔らかいクロスで乾拭きをしてください。
- 基本的にオイルによる定期的な保湿は必要ありません。葉山家具のソフトヌメは多量のオイルを含んでおり、オイルを浸透させると染料が動いてしまう可能性が高いためです。
- オイルレザー
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- 日頃のお手入れでは、乾いた柔らかいブラシやクロスで優しく撫でるように拭いてください。表面に付着した水分・油分(水、油、ハンドクリーム・整髪料など)を定期的に取り除くようにしましょう。
- 基本的にオイルによる定期的な保湿は必要ありません。乾燥してきたら家具皮革専用ケア剤(オイル)を使用してください。(ケアキットのご購入はこちら)
- ケア剤(オイル)を塗りすぎると革の伸びや色落ちの原因となるのでご注意ください。
- オイルを塗ると、色が濃くなったり色ムラが起きたりすることをご理解いただいたうえでご利用ください。
- 顔料仕上げ革
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- 日頃のお手入れでは、乾いた柔らかいブラシやクロスで優しく撫でるように拭いてください。表面に付着した水分・油分(水、油、ハンドクリーム・整髪料など)を定期的に取り除くようにしましょう。
- どうしても落ちにくい汚れがある場合には水拭きします。その際、拭いた革に水分が残らないくらいクロス(タオルなど)を固く絞ってください。
- レザー全般についての注意
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以下のものはレザー全般に共通して変色・劣化・カビなどの原因となります。十分に注意してください。
- 【変色や乾燥の原因となるもの】
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- 水分
- 油分(油・ハンドクリーム・整髪料など)
- 直射日光・高温
- エアコンやストーブによる乾燥
- 多湿
- アルコール類・溶剤・化学薬品
- ファブリック
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- 表面のホコリは掃除機や粘着クリーナーで取り除くようにしましょう。
- 汗や皮脂、飲み物、食べ物の汚れは、乾いたクロス(タオルなど)やキッチンペーパーなどで拭い取ります。
- 色汚れが残りそうな場合は中性洗剤を薄めて汚れに馴染ませ、乾いたタオルやペーパーにしっかりと吸い取らせてください。
- 使用前にケア剤を使うと汚れが付きにくく、汚れが付いても取れやすくなります。(ケアキットのご購入はこちら)
- 布地を傷めないために、掃除機で吸い取る際は自走式のヘッドブラシ機能をオフにしてください
- 粘着クリーナーは目立ちにくい場所で粘着力の強さをテストしてから使用してください。
- クッションやフレームの間に固くて鋭い角のあるもの(小石や小さなおもちゃのパーツ等)が挟まった場合は、カバーに穴が開く恐れがあるためすぐに取り除いてください。
- アクアクリーン
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- 表面のホコリは掃除機や粘着クリーナーで取り除くようにしましょう。
- 汗や皮脂、飲み物、食べ物の汚れは、乾いたクロス(タオルなど)やキッチンペーパーなどで拭い取ります。
- 落ちにくい汚れには少量の水をかけ、指先で馴染ませた後、乾いたクロスで拭き取ってください。
- お湯やアルコール、漂白剤の使用は避けてください。生地の加工が損なわれる恐れがあります。
- 強くこすらず、優しく拭き取ることで生地を傷めずに汚れを落とせます。
- 乾燥させる際は直射日光を避け、風通しの良い場所で自然乾燥させてください。
汚れや傷が気になる場合には、張り替えや部分的な補修も承ります。
色柄の種類やダメージの程度にもよりますが、お預かりからお届けまで1ヶ月以上いただいております。
経年変化を楽しむ
長く愛せる家具と暮らす。
深まっていく変化を楽しむ。
時の流れの前では、どんなものも同じままではいられません。
しかし時間とともに古くなるのではなく、
変化しながら魅力を増していくものもあります。
たとえばそれが、無垢の木材。
年月を重ねるごとに色合いが深まり、木目が際立ち、
唯一無二の表情を見せてくれます。
日々の暮らしの中で触れ、使い込むほどに愛着が湧き、
ともに過ごした記憶と物語を刻み込んでいく。
そんな家具たちに私たちはかけがえのない価値を感じています。
経年変化を楽しむことは、人生を楽しむことでもある。
葉山家具の商品を通して、この特別な体験をしていただきたいと
考えています。

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木材の表面にも使い込むほどに
ツヤが生まれ、
やがて独特の風合いを
感じられるようになります。
それはまさに、
自分がその家具に触れてきた
時間の積層とも言うべきものです。 -
革製品の中でもオイルレザーやヌメ革は
使い込むほどに色艶が増し、
身体に馴染んでいきます。
傷やシミさえも、
思い出として刻み込まれ、
唯一無二の風合いを生み出します。 -
家具は、使い方や置かれた環境によって
その表情を変えていきます。
日々の暮らしの中で生まれる変化は
あなただけの歴史の証。
経年変化を楽しみながら、
ぜひ末永くご愛用ください